~意識変容は顕著。一方で行動変容には追加支援が必要~
特定非営利活動法人 越境先生(以下越境先生)は、2025年11月28日(金)、摂津市教育委員会(以下摂津市)からの依頼を受け摂津市の教職員を対象とした「キャリア教育交流研修」を実施しました。

本研修は、キャリア教育支援ネットワークescco(以下escco)の協力の元、教員が企業との接点を持つことで越境学習の“入り口”となる機会を創出し、キャリア教育の拡充を図ることを目的に設計したものです。
教職員11名(うち教頭3名)と企業関係者9名が参加し、講話と交流を通じて多様な価値観に触れる場となりました。
実施概要
- 日時:2025年11月28日(金)16:00〜17:00
- 主催:摂津市
- 会場:摂津市教育センター(大阪府摂津市香露園34−1)
- 進行:特定非営利活動法人 越境先生
- 協力:escco・escco登録事業者
- 参加者:市内教職員11名(うち教頭3名)、企業関係者9名(キャリア教育支援ネットワークescco登録事業者)
- 内容:越境学習に関する講話、企業関係者との交流会
- 「教員の越境学習とその効果」越境先生代表理事 前田央昭
- 参加事業者紹介
- 企業×教員交流・ディスカッション
- 振り返り

研修を通じて見られた主な成果
アンケート(N=8)では、参加教員の意識に明確なポジティブな変化が確認されました。
- 研修前の関心度は低〜高まで幅広く
越境学習への関心度は2〜5とばらつきがあり、特に管理職層では「越境学習を実施したことがないため関心が低い」という声もみられました。 - 研修後は“意義の実感”が大幅に向上
「学校外の活動がキャリア教育に寄与するか」という問いには、ほぼ全員が最高評価(5)を回答。
当初関心が低かった教頭層からも「教員の世界は閉塞的なので、いろいろな考え方に触れる機会が必要」とのコメントが寄せられました。
自由記述では
・知らない世界が広がった
・刺激になった
など、多様な視点に触れたことによる気づきが多数記されました。
総じて、今回の研修は“意識の開放”という越境の初期段階において大きな成果が得られたと考えます。


■ 今後の展望:高まった意欲を「実践」へつなぐために
アンケートでは「学級経営や学校運営に活かしたい」「今後も関わりを続けていきたい」といった、具体的な実践を見据えた前向きな声が多数寄せられました。
一方で、今回の研修はあくまで「越境の入り口」であり、高まった熱量を持続的な教育活動へと昇華させるためには、単発の交流にとどまらない継続的な連携が必要であることも確認されました。
企業側からも「先生方向けの講習ができるかもしれない」「もっと根本的な課題が隠れていると感じた」といった具体的な連携の種(シーズ)が見つかっています。
今後は、双方の「やりたい」という想いを実際の教育現場でのアクションにつなげるため、以下の支援を強化してまいります。
- 継続的な交流の場づくり:一度きりの接点で終わらせず、関係性を深める機会の提供
- 協働プロジェクトの創出:企業と教員が共に授業や企画をつくる「小さな実践」のサポート
先生方の「知りたい」「変えたい」という想いと事業者の地域教育に貢献したいという意思を尊重しながら、引き続き伴走型の支援を続けてまいります。
■参加校・校種
摂津市内小学校より7名
摂津市内中学校より5名
管理職含む摂津市内の小中学校教員、計12名が参加
■参加事業者
合同会社Lily 大城 秀林 氏
株式会社Skip Job 玉城 倫司 氏
合同会社MuseBee 別所 美幸 氏
合同会社Remage 長谷川 久美 氏
株式会社Hrs 高田 ひろし 氏
株式会社花岡工務店 山中 宜明 氏
北摂HR相談所 上田 昌平 氏
株式会社Rewarding 矢野 和也 氏
一般社団法人中小企業ものづくり共創協会 本庄 博明 氏
一般社団法人ビジネス共創協会 山之内 敦 氏
■ 摂津市教育委員会事務局 石田亮太 主査兼指導主事より
先日、越境先生の前田代表をファシリテーターにお迎えし、市内教職員と地元企業の方々が語り合う「キャリア教育交流研修会」を開催しました。
本研修は悉皆(全員参加)ではありません。にもかかわらず、多忙な業務の合間を縫って会場に集まったのは、「新しい視点を取り入れたい」という高い志を持った先生方でした。会場は、より良い教育を模索する先生方の前向きな熱気に包まれ、改めてその「学ぶ意欲」の高さに心を打たれました。
参加後のアンケートには、「教員は何でも知っているふりをしがちだが、実は社会体験が少ないまま指導していることに気づいた」という率直な省察がありました。
しかし、企業の情熱に触れた先生方は、「知らないことを知る楽しさ」を再発見し、その熱はすぐに「教科書だけでは伝わらないリアルな声を届けたい」「単発ではなく、年間を通じてプロと関わる授業を作りたい」という、具体的な実践のアイディアへと変わっていきました。
「子どもと大人の学びは相似形である」。
これは、本研修の趣旨として、私が先生方に伝えたかったメッセージの一つです。
意欲ある大人が、異なる価値観に出会い、ワクワクしながら学ぶ姿。それは必ず、子どもたちの学びへの姿勢に伝播します。
今回の開催にあたり、多大なるご協力をいただきましたescco(エスコ)の山之内代表をはじめとする企業の皆様、そしてその熱い想いを学校現場とつないでくださった前田代表に、心より感謝申し上げます。
この出会いを力に変え、子どもたちが社会の中で自らの人生を切り拓く力を育む――そんな本来の「キャリア教育(生き方教育)」としての歩みを、これからも地域と共に着実に進めてまいります。
■ 一般社団法人ビジネス共創協会 山之内敦 代表理事(escco代表)より
キャリア教育の対象は子どもたちですが、キャリア教育推進には「先生(教育現場)と社会人(一般社会)の相互理解」が必要不可欠と考えます。「教育のプロ」である先生に、多様な社会の構成員(社会人)と接点を持ってもらうことで、「地域社会全体による次世代の育成」を意識していただければと願っています。今回の「越境先生」との取り組みは、当団体としても非常に有意義なものであり、この様な「場」を準備いただいた摂津市教育委員会に感謝申し上げます。また、お仕事の時間を調整して、参加いただきましたescco登録事業者の皆さまに感謝申し上げます。
■キャリア教育支援ネットワークescco(エスコ)について
「教育現場と社会をつなぎ、子どもたちの社会適応能力を育む」をミッションに掲げるマッチングプラットフォームです。大阪府摂津市教育委員会との連携協定に基づき、地域の中小企業や働く大人が学校現場で授業を行う「社会人トーク」や「出前授業」、教員向け研修などをコーディネートしています。地域の子どもたちが多様な大人や働き方に触れる機会を創出し、地域社会全体で次世代を育成するエコシステムの構築を目指しています。
- 運営:一般社団法人ビジネス共創協会
- 代表理事:山之内 敦